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第 I 相臨床試験のプロトコールの作成について

MDアンダーソンがんセンター
第 I 相臨床試験を専門とする科(Phase I Department)内にて
*正式名称
Department of Investigational Cancer Therapeutics
フェロー(日本でいう後期研修医)をされていた
藤井健夫先生からの寄稿文と共に
私の理解も交えつつ
ここで紹介させていただきます。

*記事は複雑な流れや他の方法などの中、一番わかりやすい流れや内容を紹介しています。

今回のお話は
「第 I 相臨床試験のプロトコールの作成について」
*プロトコール:手引書のようなもの

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(建てましした新しい病棟です)

第 I 相の臨床試験のプロトコール作成は、
主任研究者(医師)が
作成の責任やその後の運営のすべての最終責任をおいます。

例えば、
プロトコールの作成の際には、
その薬剤が臨床試験として
テストされるに十分な科学的根拠があるかの判断
治療スケジュールの作成
効果判定の方法
などが作成の際の責任について。

そして
実際に臨床試験としての治療が開始された後、
外来の主治医
(外来の主治医が必ずしもその試験の主任研究者ではない)
が判断に困った時、
主任研究者はその対処についての責任も負います。

臨床試験のプロトコールは
clinical research committee(CRC:臨床試験委員会?)

institutional review board(IRB:臨床試験審査委員会)
という
二つの部門が別々に審査し、
その両方の審査に通る必要があります。

CRC では、主に医学的な面からのプロトコールの評価。
臨床試験をするのに十分な科学的根拠があるか、
証明したい事項が証明出来るような研究デザインが組まれているか、
などが審査されます。

IRBでは、医学的な根拠ではなく倫理的な面の審査。
たとえば、
副作用が起こった場合に、
その患者にたいしてどのような対応をするか、
それ以降に臨床試験に参加する患者さんには
その結果をうけてどのように対応するか、
起こった副作用の報告・情報の共有がどのように行われるか、
などの倫理面の審査をします。


これらの責任や審査があるからこそ、
患者さんは参加を検討してくれると思います。

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