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「生活を大切にすること」について ~大腸がんの患者さんの場合~

がん治療と向き合うに当たって
「どれだけ納得して向き合えるのか」
それが大切になると思います。


今日のお話は

「生活を大切に」ということについて。


前回、質問内容についてお話しました。

その中の
14、生活をする上で注意することはありますか?

これをもう少し詳しく聞くとして
こういうのを考えてみてください。

* 誰に私の病状について知らせたら良いでしょうか?
(あるいは、皆さんの希望を医師に伝えましょう)
* 私が気を付けなければならない重要な事は何でしょう?
* 仕事や家族の世話は続けられるのでしょうか?
* 体力など活動に制限はあるのでしょうか?

皆さんの生活に必要な事や大切だと思う事は何でしょうか?

皆さんそれぞれ考え方や生活習慣などが違うと思います。

そして、
病気や治療は生活の一部であって、
皆さんの生活全てではないこともわかってください。

日々、生活することって、治療と同じくらい大切なのです。


アメリカの入院期間が短い理由の一つに、
「生活を大切にすること」というのがあります。

MDアンダーソンがんセンターでも入院中、
朝起きたら普段の生活に即したような服に着替えることを推奨しているそうです。

「生活する」ということの大切さ。

以前、お世話した大腸がんの患者さんで
セカンドオピニオンのために渡米され
MDアンダーソンがんセンターにて診察を受けられました。

いらっしゃった当時、
パスポートの写真で見ていたお顔と全く違う
とても痩せきった姿でいらっしゃいました。

理由は、食べられなかったわけではなく、
娘さんが影響を受けた
「ゲルソン食事療法」という本の食生活のため
体重が激減されたということでした。


診察時、患者さんが一番最初に聞いた質問は
「がん患者は肉を食べたらだめなんですか?」
でした。

もちろん、主治医の答えは
「肉でも何でもお好きな食事をされて大丈夫です」
と。

食べることが大好きで、特にステーキが大好き。
好きなものを食べられないまま生活するなんて考えられない。

とのことで、すごく喜んでいらっしゃいました。


ゲルマン食事療法の本はもう必要ないから。
と、私にくださり、
「ヒューストンで美味しいステーキ屋を教えてくれ」
と。

その日から3日続けて毎晩ステーキを食べに出かけられてました。

その方にとっては大切な生活の中に「食事」という
大切なものが含めれていて、
それを再開できたことで、渡米されたばかりの頃に比べて
とっても元気になられました。

日々の生活が充実すると
治療に向き合う気力が湧いてくるように思えました。

ご自身の生活をがんと治療でいっぱいにせず
どうか
治療の中に生活を入れるのではなく
生活の一部にがんと治療がある
ことをイメージされてください。


「納得して治療と向き合うため」には、
「生活を大切にする」ことも大切です。

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