腫瘍内科医・勝俣範之医師のつぶやき

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勝俣範之医師のつぶやき

臨床試験と医療行為の区別について

「医療と研究をきちんと区別する」という、現代の医学倫理の根本が日本に根づいていない、本当に残念ですが、そのとおりと思います。

患者さんには、医療と研究は区別がつきません。「少しでも効果が望めるなら」と期待します。
ですので、なおさら、「まだ研究段階であり、効果は証明されていません。効果がない可能性もあり、研究として行わせてください」との丁寧な説明が必要です。

国立がんセンターでは、この「実地医療と研究」に関しては、かなり厳しく言われました。標準治療でないものは、すべて「研究」としてのみ行われました。また倫理委員会も非常に厳しかったです。非常に丁寧な説明文書を作らされました。患者さんを研究に使わせていただくのですから、当然なのですが。

臨床試験が医療行為として許容されるためには、医療行為の正当化要素としての自己決定権ないしインフォームド・コンセント原則が、通常の医療行為よりもさらに格段に厳格に適用されねばならない。

本来は、臨床試験で行うべき根拠の乏しい療法を、丁寧な説明もなく、効果があるようなことのみを説明され、高額な自費診療として行われるのは、問題にはならないのでしょうか?
自己責任、自由診療として許容されるものでしょうか。

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