私はセラピストとして在ヒューストン、ファミリーエンリッチメントクリニック(FEC)で仕事を始めて6年になります。
私は、大学院生の時に、FECのディレクター葉李麗貞先生と出会いました。葉先生は、30年以上のカウンセリングの経験をもち、アメリカにおいてでアジアの文化・や習慣を考慮したセラピーを行う必要性を感じ、1992年にFECを設立しました。
このオフィスには、私のように日本語を話せるセラピストの他、さまざまな言語に対応できるセラピストが揃っています。心の悩みを抱える人達が、自国の言葉を使って、また、自国の文化的背景を理解しているセラピストと対話ができることが特徴でもあります。
そのため、FECは多民族のクライアントの治療を効果的に行っているセラピー・センターとして、広く皆様に知って頂けるようになりました。
また、FECではアジア人クライアントの効果的治療法に関連し、セラピストのトレーニングやコンサルテーションも行っています。
アメリカでのセラピストの役割は、精神科医やカウンセラーとは違うということをご存知でしょうか。
セラピストの役割とは、患者さんとの対話を通して人それぞれが抱える悩みの奥深くへ入ります。心の中で変わりたいと願望している事柄をその対話を通して見極め、更なる対話を繰り返すことで、心の治療をしていくことにあります。
一方、アメリカでの精神科医の役割は、患者さんとの対話を通して診断を行い、坑うつ剤などの薬剤を処方することで治療を行います。薬剤を使わず患者さんとの対話のみでの治療を行うことは、ほとんどありません。
また、カウンセラーの役割は、目標を達成するためには、どのような行動を行えば良いのかなど、心の中の事よりも、行動や表面に焦点をあて、そのコントロールの方法の相談者となることです。
私は、特にファミリーセラピストとして、児童虐待を行う家族全員のセラピーを行っています。
虐待を受けた子供、そして虐待する親など、家族全員の問題としてセラピーに取り組みます。
また、強度の自殺願望を持つ者は、24時間看護の病院との提携により、まず入院、薬剤の処方を行い、症状緩和を最優先に行います。自殺願望が消え退院が決まった際、引き続きフォローアップとして定期的なセラピーを行っています。
また、同じような心の悩みを抱えた人たちを集めてのグループセラピーを定期的に行っています。
日本人のクライアントに見られる問題は子供の登校拒否、うつ病、親子関係や夫婦関係など、色々とあります。ほとんどのクライアントの場合、何らかの形でアメリカの暮らしからくるストレスがたまりすぎて、仕事や家族や学校等に影響し、問題が生じています。セラピーで私はいつもクライアント個人個人が持つResilience (問題解決へ向かうために持っている長所)に注目します。セラピーではそのResilienceをよりよく引き出し、強めて、問題を解決して行く方法を話し合います。セラピストはクライアントと一歩ずつ解決の道を一緒に歩んでいき、たどり着いた時点でカウンセリングセラピーは終了します。
虐待や自殺までに及ぶ、また、そこに至らなくとも、心の中の悩みは全ての人に共通して大きいものです。セラピストとしての仕事を通じ、心の中の悩みを克服し、新しい人生を笑顔で歩む人達の姿を見ることが、私にとっての最高の喜びになっています。
|