M. D. アンダーソンがんセンターの消化器内科にリサーチナースとして勤務を始めて2年半。自分自身、思い切ってがんセンターに来て良かったとつくづく思います。‘がん’という言葉が与える暗い印象は、治療が進んだ今も余り変わっていないのが現状ですが、私は今、治験薬を通じ、そのがんを患っている患者さん達の看護を行っています。
ただ治験薬というと、何か人体実験的な印象がありがちで、もう一つ抵抗が感じられますが、実際、M. D. アンダーソンがんセンターでは、かなりの数のリサーチが行われています。例を挙げると、M. D. アンダーソンがんセンターに通って来ている患者さん達の殆どは、市街や他州から、そして遠い外国からちりょうを探して当院される人も少なくありません。その人達の中には、既に数々の抗がん剤やその他の治療を使い尽くし、他に何の治療の手段も残されていない為に、最後の望みを藁をも掴む気持ちでM. D. アンダーソンがんセンターへ来ている人もいるわけです。その中には、他人が見ると、がんに侵されているとは思えないような患者さんもたくさんいます。
その人達の立場になって考えると、治験薬が一つの治療のチャンスでもあるわけです。中には、最初の治験薬がダメであったからと、次の治験薬に同意して治療を続ける人もいます。
それから、もう一つ、M. D. アンダーソンがんセンターで勤務をしていて誇りに感じることは、患者さんそしてその家族の為に、医師だけではなく、オンコロジーの経験を持ったソーシャルワーカー、薬剤師、栄養士、ビジネス担当者、通訳係などが常時揃っていることです。
例えば、下記のような例において、それぞれの専門性を生かし、チームでの治療が行われています。
例1:患者さんは、食べていると言っているが、外来に来ている度に体重が少しずつ減ってきている様子、そんな時に栄養士に来てもらい、実際患者さんがどういう食生活を送っているのかなど詳しく聞き出し、必要に応じて栄養の補足の指導をする。
例2:新しい抗がん剤を始める患者さんに薬剤師からどういう副作用がある、そして、その副作用に対してどういう治療を行うのかなど詳しい説明をしてもらう。
色々な役割を持った人達が一つになっているわけです。
最後にM. D. アンダーソンがんセンターのモットー
‘Making Cancer History’のように、少しでも多くの治験薬、そしてリサーチが、良い効果を現し、がん患者さんの生存率がもっと伸びていく日が1日でも早く来るように願って頑張りたいと思います。
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