私は5年前に、取引先の接待が深夜まで及んだ翌日の土曜日夜、下痢のような下血を起こしました。救急車で運ばれた病院での、「痔ですから落ち着いたら帰宅してください」 の言葉に、妻が検査するように強く依頼してくれたお陰で、翌日のバリュウム検査で直腸がんらしい事が解かり、転院して市内の大腸専門クリニックで精密検査後を行った結果、直腸がんである事が確定しました。そして、紹介された公立病院で手術をしてコロストーマ(人工肛門)になりました。
2年前骨盤内リンパ節に転移し、がん専門病院で摘出手術後、順調に回復。1年前の秋の定期検診CT画像で肝臓に影が2個確認されましたが、血管腫と診断されて来ました。
それが今年の7月、突然、肝臓転移に方針変更。摘出手術を予定でしたが、再度の方針変更で化学療法になりました。外科から治療を引継いだ内科医はインフォームドコンセントで延命とQOL向上が目的と説明しました。抗ガン剤が効く確率は30%、縮小して手術しても生存確率はその叉30%、効かなければ近い内確実に死に至る状況でした。
ガンと云う病気を戴いて健康な人が見られないもの、感じられない事を体験してきた5年間。心の底でいつも恐れていた再発。恐怖と悲しみは突然背後から覆い被さり、無限の暗闇の底に引きずり込む・・。その崖の縁に今私は立っている。
が、家族を残しては逝けない! 子供への責任を果たしていない! 絶対あきらめない!生きる為に今出来得る限りを尽くす!
生きる為にはどんな事でもする、妻にそう約束しました。
そんな時、朝日新聞に米国テキサス州メディカルセンターにセカンドオピニオンを求める日本人を支援する現地のサポート法人を紹介する記事が掲載されていました。 「メディエゾンテキサス」 早速連絡を取ると、優しい声の女性が応えてくれました。
彼女の適切なサポートのお陰で、必要なデータをEメールとFAXでやり取りした結果、MDアンダーソンがんセンターから診察受け入れの承諾が取れ、その診察予約日までの間 日本国内でもセカンドオピニオンを受けるべくインターネットで肝臓転移ガンの手術に積極的な病院を探し、ある病院第二外科を選択。全ての事情を話して、手術の可能性に関する検査を依頼した結果、1週間ほどの検討の後、手術可能の結論とガン細胞確定の為、MDアンダーソンがんセンターに精密検査結果を持ち込める様 短期間での実施を約束してくれ、入院して<PET検査、肝臓門脈造影CT、造影下エコー、造影下MRI>4種類の検査を受けました。
そして、全ての結果ががん細胞では無い!だったのです。その夜、医師は病室のベッド上の私に興奮した様子で手を差出し、強く握りながら、良かったねKさんがんじゃないよ、と。ベッドに座ったままの私は医師の手を握り返しながら、体が震えました。 誤診だったのです。
渡米を中止して、がんではなかったとの検査結果を報告に行った私に、前病院の医師は 「この結果は信頼できないので1?2年様子を見たほうが良い」、「私は影像診断の担当ではない。がん細胞とした検査結果は検査医の診断による。」「当病院の検査医の診断は外れた事が無い」 と。確かに難しい診断で有る事は事実。しかしその場の医師に、延命処置と言われ、化学治療を1クール受けた患者への配慮は感じられなかった。不安を増幅させる言葉でした。
大病院の医療設備に大きな差異はありません。同様の検査を行う事は可能です。問題は医師の資質だと思います。セカンドオピニオンが必要と云われ始めて久しいが、病院名で選んで受診するよりは、担当科の診療姿勢を調査すべきです。叉は医師個人の診療姿勢を理解した上での受診が望ましい。不必要な検査を繰り返すのではなく疑わしきは、もう一歩踏み込み検査を行って確実な所を探る姿勢が必要だと思う。
私たちガン患者が、もし重大な状況になった時は、絶対あきらめないで診療方針に対して複数の意見を必ず求めるべきだと思う。そして意を決してガンと闘う事が大切だと思う。決してあきらめないで下さい。日本国内だけではなくアメリカの病院だって今は簡単に受診可能です。 |