※このページでの勝俣先生のお話は先生の承諾を得て作成させていただいています。
日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授
帯に推薦文を書かせていただきました。
元本の筆者は米国の腫瘍内科医であり、現代がん治療の問題点を的確に分析、解説しています。
オンコロジストにも必読の本とも思います。
コロナ禍で、非常にデマも多くなり、デマに基づいたバッシング、分断もひどくなっています。
そのデマをまき散らしている医師もいるので大変残念に思っています。
その原因として、医学生教育・研修医教育に、医学情報の吟味の仕方、論文の正しい読み方、患者への応用の仕方、これはEBMの基本となるところですが、しっかりと教育している施設はいまだに少ないように思います(当院を含めて)。
これを機に教育の機会が増えるようになることを願います。
低グレード漿液性進行卵巣がんに、トラメチニブという新たな標準治療が誕生しました。
このがんには、はっきりとした標準治療はなかったので、トラメチニブが有効性を示したのは驚きでした。
全生存期間のデータが待たれるところでもあります。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)02175-9/fulltext
進行子宮体癌にレンバチニブ、ペンブロリズマブという新たな標準治療が誕生しました。
20年以上新薬がなかった子宮体癌患者さんにとっては朗報と思います。
ただし、Grade3以上の副作用が89%もあるので、非常に扱いにくい薬剤。
使用は専門医によって処方されるべきと思います。
この動画を見てくださったかたにお会いしました。
ありがとうございます~~。
意外に影響力あるんですね~。
標準治療(保険承認される治療)は最善の治療になるのですが、その道はかなり厳しい。
最終段階の臨床試験である第三相試験まで進んだ薬剤も成功する確率は36%。
非臨床試験(動物実験レベル)の研究結果が臨床試験(人間での有効性を評価する臨床試験)で成功する確率は3.4%しかないというエビデンス。
診察室のドアにこのようなものを貼っています。
患者さんは、医師の前だと聞き忘れることが多いですからね。
名郷先生がされていたとお聞きし真似してみました。
すごい歌です。
「It's Okay」重要なのは影の上に自分がいること。
2%は0%じゃない。
乳がん術後ホルモン受容体陽性ハイリスク患者さんに対して、アベマシクリブが承認されました。
問題なのは、この対象患者さんには、日本ではTS-1の有用性のエビデンスがある。
しかも、TS-1のほうが、HR0?63, 95% CI 0?49-0?81, p=0?0003(Lancet Oncol 2021; 22: 74-84)であり、アベマシクリブは、HR 0.75; 95% CI, 0.60 to 0.93), p=0.01であり、直接比較ではないが、HRからすると、有用性はTS-1の方が高そうである。
加えてアベマシクリブは、毒性が強く(Grade3以上が46%)、間質性肺炎での死亡例もある。
値段もべらぼうに高い。
この結果をもって、どちらを使いますか?
どちらも使えば?と思われるかもしれませんが、TS-1とアベマシクリブを両方使うと副作用は相当に多く(特に下痢が心配)なります。
二剤併用の安全性のエビデンスはないので、使えないのです。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/202112/573329.html
ワクチン派と反ワクチン派と分断されるのは悲しいこと。お互いに罵り合うことはやめてほしい。
ワクチン反対する人の根底には、ワクチンに対する恐怖があります。
ワクチン推奨する方々は、ワクチン反対する人を罵るのではなく、副反応はあるし、怖いのはわかる、とまずは共感的な対応をしてほしい。
抗がん剤も同様で、抗がん剤には、メリット、デメリットあります。副作用はワクチンなんかよりものすごくある。
「抗がん剤をなぜ受けないんだ~」と怒るのではなく、まずは、「その気持ちわかります」と共感的な対応が大切と思います。
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無料相談というと怪しいサイトがあり、怪しげなサプリを売りつけたりするサイトがよくありますが、このサイトは、良心的なサイトであり、安心・信頼できると思いますので、一度覗いてみてください。