メディア掲載・講演実績05_2002年10月:日経マスターズ - アメリカと日本をつなぐ医療の架け橋

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2002年10月:日経マスターズ

日経マスターズ

日本からの窓口ができた全米屈指のがんセンター

 全米一の総合病院がジョンズ・ホプキンズ病院であるなら、がん専門病院として全米一の評価を受けるのがテキサス州ヒューストンにあるテキサス・メディカル・センターのMDアンダーソンがんセンターだ。新薬の臨床試験や遺伝子治療などの先端的な治療が活発に行われ、年間6万5000人が訪れる。乳がんという限られた疾患についてではあるが、同センターへの窓口が日本にできた。

 聖路加国際病院(東京都中央区)はこの9月から、同センターとの共同事業を開始した。乳がん治療を専門にしている外科副医長の中村清吾氏が中心となって行うもので、乳がん患者がセカンドオピニオンや治療を受けるのに米国に行ったり、遺伝子検査実施の仲介をする。日本では保険診療の制約があったり新しい抗がん剤が使用できないなど「矛盾を抱えており」(中村氏)、患者の選択を広げるためにこうしたサービスに踏み切った。乳がん以外のがんにも広げるかどうかは、現在のところ未定だが、聖路加は同センターとの医療交流が盛んで、同センターも患者受け入れに積極的なので今後広がる可能性もある。

 乳がんの遺伝子検査は現在、わが国ではできない。母親が40歳以下または姉・妹2人以上が乳がんにかかった場合などには、家族性乳がんの遺伝子を持っている可能性が高い。聖路加では同センターとの間で診断・治療・予防に関するコンサルテーションを行うサービスを始める。費用は自費。

 セカンドオピニオンに関しては、同センターは外科や内科、放射線科の専門医がチームで診断・治療を行う態勢が整っている。

 家族性乳がんの遺伝子(BRCA1・2)を保有する場合には、将来乳がん発症の可能性が高くなる。こうした患者が希望する場合には乳房の予防切除と乳房再建術あるいは抗がん剤の予防投与が行われている。その他、先端的な遺伝子治療のほか、新しい抗がん剤の臨床試験に参加したいという希望もありうる。

 聖路加では、日本での診断結果や治療の経過を揃えるなどのコンサルテーションを行う。診療予約・費用見積もりなどセンターとの折衡には、メディエゾン・テキサスという民間の機関が代行する。(藤森敏雄=明治生命フィナンシュアランス研究所)

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