メディア掲載・講演実績06_2002年10月:Yomiuri Weekly - アメリカと日本をつなぐ医療の架け橋

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Yomiuri Weekly 2002 10/20号

10月7日発売 Yomiuri Weekly 「医療不信ここまで 米病院にすがるセカンドオピニオン」

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医療不信ここまで 米病院にすがるセカンドオピニオン

 テキサス州・ヒューストン。人口約200万人を抱える、全米第四の大都市だ。

エネルギー産業や宇宙産業が集積するハイテク都市として世界に名高いが、もうひとつの「顔」を持つ。年間540万人もの患者が集まるという「テキサス・メディカル・センター(TMC)」がそれだ。ベイラー医大付属病院やテキサス大学・MDアンダーソンがんセンター(MDA)など42施設が、85万坪の敷地のなかに立ち並んでいる。まさに世界最大の医療拠点と言える。

 TMCで日夜行われている最先端の医療を受けようと、海外からも年間1万9000人が訪れるという。

医療都市 ヒューストンで診断

  日本在住の患者にも、このTMCでの医療サービスを受けさせたい、そのためのサポートをしようという趣旨の会社が今年6月、営業を開始した。オーナー兼スタッフが日本人3人の小さな会社だ。この会社「メディエゾン・テキサス」の上野美和さん(38)が、

「5年前、私の母が渡米して、TMCのMDAで、セカンド・オピニオンのために診察を受けた体験が、会社設立にまで至ったひとつのきっかけです」

 と話す。上野さんの母親が日本で受けたMRIの胸部映像に小さな塊が写っていたのが、そもそもの始まり。その後の検査で胸部のリンパ節に親指大の塊があることが分かり、悪性リンパ腫の疑いもあると診断された。
 日本の病院では、

「良性か悪性か、確定診断を得るため、喉を切開し、内視鏡を問題の塊まで通して、細胞組織を調べることが必要。その時に、周りの臓器を傷つける恐れがある」

と説明された。

 切る以外に検査方法はないのか?--TMC内で働いたこともあり、現地の医療事情に詳しい上野さんは、MDAでセカンド・オピニオンを取ることを勧めた。リンパ腫の専門医から「喉を切開する必要はないかもしれない」との感触を得ていたからだ。

 母親がMDAで受けたのは、CTスキャンと骨髄生検。これら検査結果をリンパ腫専門の医師と放射線科の医師がつきあわせて、診断した結果、腫瘍は良性だった。

上野さんが話す。

「母の渡米なしでは、この判断はできなかったと医師から聞いています。この後は、日本で半年ごとにCTで写真を撮って、前のと比較して違いが出てきたならば、またMDアンダーソンで詳しい検査を受けるように、と母は勧められました。いまもリンパ節の大きさに変わりはなく、元気です」

 上野さんの母親は、セカンド・オピニオンのおかげで、日本の病院が勧めた喉の切開を回避することができたわけだ。

米では当たり前の第二の意見

 セカンド・オピニオンとは、主治医以外に聞く第二の意見。患者本位の医療が進んでいる米国ではセカンド・オピニオンに関しても先進国で、ここ10年の間に知らない人がいないほど定着。診察の終わりに、医師の方から「セカンド・オピニオンを取りますか」と尋ねるのが当然のようになっている。

 一方、まだまだ主治医に遠慮する日本の医療風土。しかし、セカンド・オピニオンを求める願望は、患者の中に潜在していたようだ。メディエゾンがサービスを開始して4か月で、15人がTMCでセカンドオピニオンを取得したい、と申し込みがあった。このうちすでに2人が実際に渡米し、MDAで診療を受けた。

 上野さんによると、15人のうちほとんどが、がん患者。再発したり、治らない、という理由で現状の治療法に迷いを持っている患者が多い。

 セカンド・オピニオン取得まで、どのくらいの費用と時間がかかるのだろうか。

「まず、メディエゾンのウェブサイト上に書き込み用の書類が置いてありますので、そちらのほうに病状の診断名、症状と治療法の経過などを書いたものを、電子メール、ファックスで送ってもらう必要があります」(上野さん)

 同社では、送られてきた書類を翻訳し、適していると思われる病院の国際部に照会。渡米するに見合うメリットが患者にあるかどうか、専門医の意見を聞くことになる。セカンド・オピニオン取得の準備段階といえる、ここまでの費用は一律450ドル。

 上野さんによると、準備として、日本での検査データや診断書を医療機関から得ていた方が、TMCでのセカンド・オピニオン取得はスムーズにいく、という。

 実際渡米して、TMCで診察、検査を受け、専門医らの間でセカンド・オピニオンが治療方針としてまとめられるまで、1-2週間はかかる。支払いの医療費は5000ドルから1万ドル。これに滞在費や交通費が別途必要だ。
同社では希望に応じて、患者の案内や宿泊先などの手配を行う。

「まとまった治療方針は要約を私たちで日本語に訳します。詳しい治療方針や検査結果やカルテは英語のものを渡しますので、日本で担当する医師に示してもらえばいいと思います。セカンド・オピニオンをTMCで、そして、実際の治療は日本の医師がTMCの医師と連絡を取り合いながら行う体制を作ることを目指しています」(上野さん)

=メディエゾンよりコメント=

セカンド・オピニオンの重要性がこのように各方面で取り上げられているということは嬉しい限りです。
メディエゾンも日本に向けてどんどんセカンド・オピニオンの重要性を伝えていくつもりです。

私たちは、1.「書類上でTMC医師よりアドバイスを取得する」<患者さんサポート:ステップ1>というサポートを行っておりますが、この段階で得られる回答はセカンド・オピニオンではありません。

セカンド・オピニオンとは、その後の治療方針を決定する上で非常に重要なものです。別の医師に、既存の治療データ、検査結果のレビュー、そして、実際に診察してもらった上で患者さんに合う治療方針を提示してもらう。そして、その治療方針に伴う有効性、副作用、或いは実績データなどを患者さん自身が確認し、その上で一番納得のいく方法を選択することこそが最も重要だと私たちは考えています。

それゆえに、病院からある程度渡米に見合うメリットがある、現在の治療法以外のオプションがありそうだ、という回答を戴いた場合は、2.「TMCにてセカンド・オピニオン取得」<患者さんサポート:ステップ2>を呼びかけています。

治療の早期段階で的確なセカンド・オピニオンを取得されることが早く日本で定着することを願っております。
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