メディア掲載・講演実績15_2005年7月:THEMS - アメリカと日本をつなぐ医療の架け橋

HOMEメディア掲載・講演実績15_2005年7月:THEMS

メディア掲載・講演実績

2005年7月:THEMS

「ネット」や「Eメール」で探す
がんや難病を海外最新医療で治そう

THEMS  THEMS

日本の医療制度に不信感を持つ患者は自らの選択肢を広げて海外に向かう

セカンドオピニオンを求めて

海外に最新の医療を求めて渡航する患者が少しずつだが増えている。以前は海外治療と聞いて、すぐに思い出されるのが臓器移植だったが、最近では、がんなど日本国内でも十分に対応できそうな医療でも、海を渡る患者が増えている。日本では使えない新薬や医療器具が使える、専門医が自分にあった治療を提供してくれるー患者達が発する理由は、日本の医療に対するアンチテーゼでもある。

海外治療を受けるためには、渡航費、滞在費、治療費が必要になり、数千万円から1億円という爆大な費用がかかるため、臓器移植などの特別なイメージで語られて来たが、最近は違った様相を呈している。

「海外でセカンドオピニオンを得ませんか」

患者が自分の疾病の診断や治療法を決める際に、主治医以外の医師にも意見を聞くことを「セカンドオピニオン」という。日本でも、患者がセカンドオピニオンを求めやすいように専用の外来を設ける医療機関が増えつつあるが、それでも「仕組み」として定着したわけではない。そうしたサービスを受けられる施設に通院しなければ、依然として主治医推薦の医療を受けなければならない。

だがインターネットの普及で、セカンドオピニオンがどこで得られるのか瞬時にわかる時代になった。

30代のA子さんは、米国人の友人に強く勧められて、セカンドオピニオンを受けるために渡米した。乳がんの初発から2年。A子さんは当初、乳房温存手術を受けたが、検査でがんの広がりを指摘されたために、全摘手術を行った。その後、患部付近に局所再発したことから3度目となる切除手術を受け、放射線、抗がん剤治療に続いて2種類のホルモン剤治療を続けていた。

「私のがんは転移しづらい『粘液がん』と診断されていたため、できることなら副作用の多いホルモン剤の治療をやめ、治療を軽くしたいと考えていた」(A子さん)という。 しかし、乳がんは一般のがんよりもリスク期間が長く、10年以上経ってから再発する危険性もあり。A子さんは、日本の主治医に頼んで英文の診療情報提供書を書いてもらい、渡米前にCT画像とともに国際宅配便で送った。

診察に向かったワシントン州シアトルの「スウェディッシュ・メディカルセンター」では、医師からこんな言葉が発せられた。「説明は理解できましたか」、「もっと質問してください」と。

A子さんは次第に自分の不安や疑問が受けとめられていると安心感を抱いた。診察時間が短く、患者を萎縮させるタイプの日本の病院とは全く違うと感じていた。

結果的に米国人医師は、A 子さんにホルモン剤治療の長期継続を勧めた。「局所の再発を重く見たほうがいい」というのがその理由だ。帰国後は、米国からの検査結果と、再び文章による治療のアドバイスを受け、米国人医師とEメールによる質問のやりとりを2~3回交わして診察を終了した。診察費用は交通費や滞在費を除いて、合計で約2千ドル(約22万円)だった。

渡米せずに受けられる「診察」も

日本のがん患者が海外治療を求める最大の理由は、日本で未承認の薬が使えることである。欧米で標準薬として使われているにもかかわらず、日本で使えない抗がん剤は80種類ほどあるといわれている。日本では厚生労働省が、患者団体の要望を受け、適応がん種を追加承認しており、抗がん剤の組み合わせ投与パターン(併用療法)が増えてきてはいるが、こと新薬に限っては応援に追いついていない。新薬の臨床試験大国である米国で認められた抗がん剤が、日本でも使えるようになるには「2~5年のタイムラグ」(米国系製薬会社研究者)がある。

要するに、がん治療で患者の選択肢が少ないのだ。海外治療を選んだがん患者の声として最も多い日本の医療に対する不満は、「海外標準なのに日本で承認されていない抗がん剤が多く、日本で治療を続けることができなくなった」ことだ。

米テキサス州ヒューストンのMDアンダーソンがんセンター。がん治療では死亡率、退院率など全米トップの成績を誇り、1万5千人のスタッフが働く超巨大病院である。あらゆるがんに対し、外科医、腫瘍内科医、病理医、放射線診療医などがチームを組み、治療法について徹底的に議論したうえで治療に当たっている。州外や国外からも来る年間患者数は6万人以上にのぼり(うち外国人患者は約3千500人)、新薬の臨床試験は年間700件以上、1万2千人以上の患者が参加している。日本では想像もできない規模である。

ヒューストン市内には、ほかにも全米トップレベルの専門病院が五つある。「いかなる患者も本人の言語で納得した診療を受けなければならない」と定められた州法に基づいて、全てのカルテを無料で英訳し、日本語を含めた世界各国の言語を話す医師や看護師を揃えているのが特徴だ。

MDアンダーソンがんセンターだけではなくジョンズ・ホプキンズ病院、名よークリニックなど、がん関連で全米トップ5に入る常連病院は、外国人患者の受け入れ体制を整えている。そこに日本人患者を紹介する会社も増えているのだ。

日本人患者のために、ヒューストンでの治療をサポートする会社「メディエゾン・テキサス」代表の上野美和氏は、こう語る。

「米国の病院では、医師、薬剤師、看護師が専門家の立場から意見を交換し合い、最善の治療を見出していくのが一般的。そうしたシステムが患者の満足度にも反映されており、日本人もうまく利用できないかと思った」

メディエゾン・テキサスでは、日本にいる患者に最初に病歴などを記入してもらい、英訳して病院と交渉するサービスを行っている。渡米の必要があるかどうかを調べるためのもので、実際に渡米してもらい航空券から宿泊の手配、診察時も含めた全ての手続きの英訳と通訳を行うサービスも行っている。

日本からカルテや資料を送り、日本にいながらにして米国の病院か簡単な「セカンドオピニオン」を受けられるサービスもある。

さらにこんな指摘もある。

「日本から来る患者の中には、標準治療を受けていない方もいる。研修医時代から何年もかけて最初に標準治療を学ぶ米国とは違い、日本では、医師の主観に基づく治療が多いように思われる。最初のステップを踏んでいなかったために、標準治療の効果が半減してしまった例もある」(上野氏)

今すぐ相談、お問い合わせ・お申込みはこちら

ページの先頭へ

zoom無料相談会