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「治療法の選択」について

最近、気になることとして
医療否定本がやたらと持ち上げられている。

私は決して
治療しないことは良くないこと。
だと思っているわけではないです。

ですが、
治療をしないという選択肢も含めて
治療法を選択することについて
この場で時々お話したいと思います。

今回、ある記事をきっかけに
私の友達で今アメリカで
腫瘍内科医のフェローをしている
彼女がFacebookでメッセージを投稿しました。

それがとても的を得ているので
紹介したいと思います。

ある記事というのはこちら。


がん放置療法についてどう思うか?
というアンケート記事です。

それについて彼女のメッセージはこれです。



ちまたでは「がんは」、「がんは」と申しますが、
がん患者十人いれば、
十のことなる癌があることを意味します。

フリーサイズの対処法なんて、ないんです。

医師は患者一人ひとりを十分にみつめ、
最善と思われる治療法を提示するべきです。

XXがんなら、はいこの抗がん剤で、
XXがんなら放置がいいですよ、

なんて感じの議論は、
根本からまちがっている。

そして上記(の記事の中)の方々のコメントにもあるように、
がんと生きることは、うまく付き合っていくこと。

壊れた機械をお金と時間をかけて直すか、
それとも何も対処せずに完全に壊れるのをまつか、

という単純なものとはまったく異なります。

あくまでも患者さん一人一人をみつめ、
現在可能の治療法のなかで最適思われるものを提示する。

それを受け入れるか、否定するかは患者さんの役割であり、
医師と医療関係者は、
ある治療法を押し付けたり、
可能な治療法を提示しないことがあれば、
それは「医療倫理」にそむく行為です。



彼女の言葉はまさしくその通り。

もちろん、患者さんに選択権があるのですが、
そのための情報を与えるのは
医療者側の大きな役割だと思います。

患者さん達が安易な選択へ流れてしまうのではなく、
正しい情報を得た上で
選択する環境でありますようにと祈って
この場を借りて
これからも時々お話したいと思います。

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