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「第三者の存在」について ~転移性大腸がんの患者さんの場合~

がん治療と向き合うに当たって
「どれだけ納得して向き合えるのか」
それが大切になると思います。

今日のお話は

「第三者の存在」について。

8つ目のお話で、
基本的な質問内容を15あげたと思います。

皆さんは、どこまで知りたいですか?
皆さんは、どの程度の情報が欲しいのでしょうか?

どうか自分に問いかけることを忘れないでください。

様々な事柄について全て詳細まで聞くと落ち着く方。
また、逆に、詳細を聞くことで混乱してしまう方。

どちらの時も
第三者の存在は大切になります。

想定外のお話になった時、
どんなに親切な説明を受けたとしても覚えていないかもしれません。

家族や友人に付き添ってもらうのはいかがでしょうか?

第三者が同伴することで、理解は深まります。

そして代わりに質問してもらい
後で説明を繰り返してもらってください。

ご家族やお友達はあなたが治療について決断する時にも助けてくれるはずです。

これは、メディエゾンが行っているサポートの一つです。

患者さんとご一緒に診察へ同行し質問し説明を聞きます。

いつも診察に同行させて頂いていますが、
時には動揺から診察中には理解していたはずのことが、
終わってみれば、「あれ何だったっけ?」となります。

以前、お世話した転移性大腸がんの患者さんで
セカンドオピニオンのために渡米され
MDアンダーソンがんセンターにて診察を受けられました。

皆さん、いらっしゃる時は
ご家族やご友人など、どなたかとご一緒に渡米される患者さんがほとんどです。

この患者さんはお一人でいらっしゃり
全て自分で決定されるつもりでいらっしゃいました。

ですが、
治療法として出てきたのは臨床試験で長期滞在が必要になります。

思ってもみない話がでてきた時、
やはり動揺して困惑してどうしていいものかが心配になるものです。

何を優先してどう決めていいものかでとても悩んでいらっしゃいました。

ですが、お一人だったこともあり、
日本で相談される方もいらっしゃらないとのことで
私が患者さんにとっての第三者として
患者さんにとって何が大切なのか
何を優先させていきたいのか
などを元にお話しました。

優先させたいこと
1、何らかの治療を受けたい
2、生活を充実させたい

アメリカにいたい理由
1、臨床試験という何らかの治療法があること
2、アメリカで一番というがんセンターへの信頼

アメリカにいて不安なこと
1、アメリカでの食生活
2、言葉の問題

日本に帰国したい理由
1、自分の生活があること

日本に帰国して不安なこと
1、治療法がないかもしれないこと


それらの希望や不安を元に
医師との診察予約を再度入れ相談することにしました。

「臨床試験を受けるにおいて生活に不安があるとうまくいかない」

「今ある臨床試験も必ず効果があると保証できないので、日本にある臨床試験を受けたとしても効果に差があるとは考えにくい」

ということで
MDアンダーソンの医師は

1、日本へ帰国することを勧める
2、日本で受けることのできる臨床試験を探す

ということとなり、患者さんに合う臨床試験を探してもらい、
私の方で連絡し受け入れ先を見つけ帰国されることとなりました。

普段の生活でも
第三者に相談する内に頭の中や気持ちが整理され
自分の考えていることが明確になってくると思います。

がん治療と向き合う際
思ってもいないことが起きた時、
お一人で理解して頭の中を整理して行動していくことは
普段の生活とはまた違ってくると思います。


どうかご家族や第三者の方など
相談し一緒に理解を深めることができる方を見つけてください。


「納得して治療と向き合うため」には、
「一緒に理解を深める第三者の存在」が大切です。

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