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「患者の権利」について(2) ~慢性骨髄性白血病の患者さんの場合~

がん治療と向き合うに当たって
「どれだけ納得して向き合えるのか」
それが大切になると思います。

今日のお話は

「患者の権利」の前回の続き。

続きの4つを紹介です。


4、処置・治療の前に主治医からインフォームドコンセント(医師の説明と患者の同意)の機会を与えられる権利がある。

これは、日本でも行われていますよね。
その場で同意を決定できない場合、サインする書類や説明書を持って帰り、もう一度、家族と相談しながら、考えてみるのもお勧めです。

5、自分のデータが研究のために使われることに対して、賛成する権利、拒否する権利がある。

これも、日本で行われていると思うのですが・・
皆さんのデータは皆さん自身のためのものです。
ですので、研究への使用について賛成・拒否の決定権は皆さんにあります。また、データは将来の患者さんのために必要なことも事実です。
この先は、皆さんの置かれている状況、環境、人生観などに合わせ考えてみてくださいね。

6、退院後も適切なケアを受ける権利があり、またそれに必要な情報を与えられる権利がある。

こちらでは特に入院期間が短いため、退院後のケアは必須です。主治医といつでもコンタクトが取れる状態になっています。
皆さんもどうやって主治医とコンタクトを取ればいいのかの確認をお願いします。
そして退院時「どのような症状の時、どう対処すればいいのか」などの注意点を確認されることお勧めします。

7、法により、患者のプライバシーは尊重される。症例検討、診察、検査、治療の秘密が守られる権利がある。

2002年頃から、こちらではHIPAAという患者さんのプライシーを守るための規則が徹底して施行されるようになりました。
個人の情報を流出させないための方法で、病院職員全員がそのための教育・テストを毎年受けています。
規則はわからないけれど、多分日本もそうなのでは?・・・


今もフォロアップにいらっしゃっている慢性骨髄性白血病のNさん。

彼女はポナチニブの臨床試験に入る前、
別の臨床試験に参加予定をしていました。

そこでまず1回目のインフォームドコンセント。

そして、
その臨床試験に重篤な副作用があるとわかり
既に終了していたポナチニブの臨床試験が再開し
2回目のインフォームドコンセント。

3回目がポナチニブがアメリカで承認された後
ポナチニブを使い続けるための
インフォームドコンセント。

医療者側も患者側も
お互いが納得できるように治療に向き合うため。

状況が変われば内容も代わります。

その度にお互いの希望が合致できることを確かめるためにも
インフォームドコンセントの内容に納得できない場合、
ちゃんと質問されてくださいね。


「納得して治療と向き合うため」には、
「与えられる情報に対して納得すること」が大切です。

情報をただ受け入れるだけではなく、
自分が納得できる方法で情報を得るように心得てください。

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