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「緩和ケアの勧め」について(1) ~薬剤師さんの研修の場合~

がん治療と向き合うに当たって
「どれだけ納得して向き合えるのか」
それが大切になると思います。


今回のお話は
「緩和ケアの勧め」について。


緩和ケアと聞いてイメージすること。
1、終末期医療
2、もう治療法は何もない
3、モルヒネなどの鎮痛薬で中毒に
4、病期がかなりすすんだ

など、

あまり良くないイメージもあると思います。

ですが、
緩和ケアは治療が始まると同時に行うことがお勧めです。

緩和ケアの目的は生活の質を向上させることです。

例えば
1、不安や恐れなど精神的苦痛を緩和
2、痛みや息苦しさなど身体的苦痛を緩和
3、仕事や経済的な問題など社会的苦痛を緩和
4、死への恐怖や罪の意識などスピリチュアルな苦痛を緩和
5、がん治療との共存


診断された時から
緩和ケアのことを主治医と話し合うことお勧めです。

以前、研修のお世話させていただいた薬剤師さん。

約10年以上前、
緩和ケアのことを勉強するために
MDアンダーソンがんセンターへいらっしゃいました。

その時、
一緒に緩和ケアの科を見学させていただいたことがあります。

緩和ケアの医師が話していた言葉がとても印象的でした。

「自分達の役割は患者さんが
 いつもと同じ生活をできるようにすることなんだ」

と。。。


それまでの私は、

   緩和ケア=終末期

というイメージだけでした。

そうではなく、その医師が話していたのは

抗がん剤などの治療からの副作用
がんと診断されたことに対する不安
など
がんに関わるマイナスな感情や症状によって
生活の質が落ちてしまうのを
食い止めるため向上させるために
緩和ケアは存在している。

と。

とても衝撃を受けたこと覚えています。

「納得して治療と向き合うため」には
「緩和ケアを受けること」が大切です。

皆さんにとってがんとは生活の一部としてあるものです。

決して、がんの中に生活があるのではなく、
生活の中の一部分として存在していること忘れないでください。

緩和ケアはそれをきちんとサポートしてくれるものです。

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