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慢性白血病の治療薬 ポナチニブの重篤な副作用


先日、FDAにてポナチニブの副作用に関するアナウンスが出ました。


下記は10月11日のニュースからの一部抜粋です。

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2012年12月に白血病治療薬としてFDAが承認したポナチニブ(ponatinib、米国商標: Iclusig)の使用により、動静脈に重篤な血液凝固症状が発生する例が増え続けているという。

これを受けて、10月11日、FDAは医療従事者に向けて通達を発出し、同剤の投与にあたっては、リスクと効果を十分にはかるよう注意を促している。

また、患者に対しては、同剤の投与により、心臓発作を示唆する症状が現れた場合は、至急、医師の診察を受けるよう呼びかけている。

FDAに提出された最新の臨床治験データによると、凝血あるいは血管狭窄の発生率は20%以上となっている。承認前の治験では、Iclusig投与群における重篤な凝血の発生率は、動脈で8%、静脈で3%であったという。

凝血リスクについては、承認時より、添付文書に黒枠警告(Boxed Warning)および警告および使用上の注意(Warnings and Precautions)で記載されている。

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その後のFDAからの10月31日のフォロアップのアナウンスとして下記内容が出ています。


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1、ポナチニブの効果が無い患者さんは服薬を中止し、主治医と別の治療法について相談すること

2、新しい患者さんへの投与に関しては、ポナチニブ以外の治療法がない限り、処方は始めないこと

3、現在、ポナチニブを服用中で効果のある患者さんは、主治医の判断によりリスクを上回る効果を期待できる場合に限り継続できる。

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そして11月5日に新たなアナウンスが出ていましたが、基本的には10月31日のアナウンスと同じ内容で、適切な患者さんのみポナチニブの服用を継続できるけれど、緊急用の新薬臨床試験としてFDAが監督し、そのための主治医とFDAとの連絡方法について詳しい内容が書かれていました。

弊社がサポートしている慢性白血病の患者さんもポナチニブを服用しています。
そして、とてもよく効いています。

MDアンダーソンがんセンターの主治医から、彼女へ用量を減らすこと、そして、普段の症状について日本の主治医と相談しながら服薬を続けるようにという連絡が来ました。

用量を減らすのは、リスクを回避しつつ効果を期待するため。という理由と聞いています。


MDアンダーソンがんセンターでも、これから全てのポナチニブ服用患者さんへの連絡が始まるとのことでした。

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