腫瘍内科医・勝俣範之医師のつぶやき

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勝俣範之医師のつぶやき

がんの自然退縮と交絡バイアスについて

がんにもさまざまな種類があり、中には、進行しないがんもある。ある患者さん、10年経過観察したが進行しなかった。
「おとなしいタイプのがんで良かったですね」と言うと、患者さん、「実は、玉川温泉の布団を使ってたんです。それが効いたように思います」と。

これは、医学用語で、交絡バイアスと言います。実は別な要因が寄与しているのに、因果関係ありと思いこんでしまうバイアスです。

長い間がん患者さんを診ていると、自然治癒の患者さんにも遭遇します。
ある子宮体癌の再発患者さんは、腹水もたまっていましたが、抗がん剤始める前に、腹水が消えてしまいました。
私は内心「世紀の発見をした」と思い、その人にこれまで何かされたのか?根ほり葉ほり聞いたのですが、「これまでと変わらず普通の生活してました」と。
調べてみると、がんの自然治癒は年間20例くらいは報告があるんですね。

ある有名な○○式食事療法を開発した方は、進行腎臓がんだったそうですが、腎臓がんは、最も自然退縮の報告が多いがんです。
私も自分の患者さんで一人経験があります。
交絡バイアスには気を付ける必要があると思います。

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