メディア掲載・講演実績02_2002年8月3日:朝日新聞 - アメリカと日本をつなぐ医療の架け橋

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メディア掲載・講演実績

朝日新聞 2002年8月3日付け 朝刊

「医療」シリーズ癌(アメリカからの報告-1)「納得求めて米国へ」

朝日新聞

最高峰の治療に期待

 米テキサス州ヒューストン。石油とロケットで知られるこの街に、40余の医療機関が集まったテキサスメディカルセンターがある。

 修さん(67)仮名がセカンドオピニオンを求めて仙台市からこの「一大医療基地」にやってきたのは4月のことだった。

 腕に悪性の肉腫ができ、昨夏、東京都内の病院で手術を受けた。4ヶ月後、そのすぐわきに再発し、再び手術。そして主治医は放射線治療を勧めた。このまま受けてよいのだろうか。

「手術してすぐ再発し、これまでの治療に疑心が芽生えたというか・・・。世界最高と言われる先生の意見を聴いてみたくなった」

 米国に住む知人が勧めてくれたのが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターだった。全米屈指のがん専門病院。世界中から患者が集まる。その数は年に約850人と、全体の1%を超える。

 入院費が高い米国では診療は通院が一般的。修さんも4日間、センター近くのホテルから検査に通った。

 その結果、腫瘍内科医と放射線治療医が勧めたのは放射線治療。日本の医師と同じ判断だった。検査と診断にかかった費用は7千ドル(約84万円)
「治療が間違っていなかったとわかり、ほっとしました。安心料だと思えば、高くありません」
 いま自宅近くの病院で放射線治療を受けている。

 舌がんだった東京都の健さん(62)仮名は「手の施しようがない」と日本の医師に言われた。

 MDアンダーソンで診てもらったら「放射線で治療できます」。数百万円の費用は、民間のがん保険の診断給付金などで賄った。

「もう8年になりますが、今も元気に仕事をしています。命はお金に換えられません」

 米国の有名病院のほとんどに、海外から患者を受け入れるための施設がある。MDアンダーソンでは国際患者センターが医師との面会などを手配する。

 ウェンダリン・ジョンゲンバーガー所長は「日本では受けられない治療もここなら受けられる。日本からの患者は年に10人ほどですが、もっと積極的に受け入れていきたい」と話す。

 現地に住む日本人らが患者を支援する会社を6月につくった。ホテルの手配、送迎、病院との交渉、持参したカルテの英訳・・・。知り合いがいなくても、治療が受けられる。

 そうは言っても、日本とは医療制度や文化が違う。

 ヒューストンに住んで30年になる美和子さん(60)仮名は3月、MDアンダーソンで乳がんを手術。3週間に一度通院して抗がん剤治療を受けている。

 抗がん剤を使う前、主治医の説明は1時間以上に及んだ。渡された資料は数センチの厚さがあった。

 抗がん剤の効果と副作用について、医学の知識がなくても理解できる。髪が抜けたら、かつらはどこで作ればよいかもわかる。病院の図書館に行けば、もっと詳しい情報が得られる。

「訴訟を恐れているからかもしれないけど、必要な情報はきちんと提供してくれる」と美和子さん。
「でも、どんな治療を受けるかは、患者が自分で決める。自己責任の社会、それがアメリカ。何でも医者任せ、という人には勧められません」

渡米患者の支援組織

 メディエゾン・テキサスは、MDアンダーソンがんセンターで受診を希望する日本人患者を支援する。同センターのあるテキサスメディカルセンターには臓器移植や小児難病などの治療で名高い病院も多い。そうした病院との交渉も行う。

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