メディア掲載・講演実績13_2004年6月:新医療 - アメリカと日本をつなぐ医療の架け橋

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2004年6月:月刊 新医療

「素顔拝見」にてメディエゾン代表上野美和のプロフィールを掲載

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米国の医療施設への患者紹介会社設立して2年
グローバルな医療提供で治療成績アップに貢献

高水準医療提供の米国センター

米国テキサス州ヒューストンにあるテキサス・メディカルセンター(TMC)は、世界最大の医療施設の集合体である。いずれも質の高い医療を提供し、最先端医療の研究開発面でも優れているため、各国から患者や研究研修医、コ・メディカルも集まってくる。この高水準の医療と、日本や世界各地の日本人患者との架け橋をしている組織がヒューストンにある。

上野美和さん(40歳)は、メディエゾン社の代表である。メディエゾン(Mediaison)は、MedicalとLiaisonを(窓口、連絡係)を合成した三味であり、テキサス・メディカルセンターからほど近い自宅を拠点に02年6月に設立された。

「世界最高水準にある医療を、ヒューストン以外にお住まいの日本人患者さんや、医療従事者の方々に、できるだけ有効に利用していただくことを目的に発足させたのです」と上野さんは言う。

上野さんはもともと薬剤師。医師である夫の勤務の関係で米国に渡った。ピッツバーグ(ペンシルバニア州)からヒューストンへと、それぞれ大学病院などのボランティアとして患者に接するうちに、英語にも磨きがかかっていった。

ヒューストンのTMCの中でも最も有名ながん治療施設であるMDアンダーソンがんセンターでもボランティアをしていた。3年で帰国する予定が変わり、永久在住となった時、機械を得てボランティアのころからのリサーチナースとして働き始めた。その後、看護師の資格がないことから、診断・治療に必要な資料を集めるデータマネージャーに転職した。

「骨髄移植科で移植後の経過調べ、合併症や感染症の有無をデータにまとめること、治験薬剤の投与の仕方を調べる事、血液検査の変更記録、診療データのインプット、病歴調べなどを行うのがデータマネージャーの私の仕事です。6ヶ月間のトレーニング期間にトレーナーが力をテストした上で正式に働くことになります」。

MDAのデータマネージャーを通して、TMCの医療施設及び医療がかに優れたものであるかを身をもって知った。それが上野さんをメディエゾン社の設立に駆り立てた大きな動機ともなった。

MDAの医療がどんなものか、日本でもよく知られている部分も多い。架け橋役として、また現場で働いてきた立場として、質の高い医療の一端に触れてもらった。

「医師は総じて日本の医師に比べて患者に親切です。患者は治療方針と記録だけをもらって地元へ帰ることもします。そのために患者と4時間もかけて話すこともあります。そして多くの医師は、患者が納得しているかどうかをよく確かめます。早く家に帰そうとするのではなく、患者の選択に任せています。こうした良い所を、日本の患者が自信の状況に織り込んで上手く利用していければ良いと思います。

日本でがんの宣告を受けた患者が、セカンドオピニオンとしてMDAの臨床試験を地元で行えるプロトコルもあります。患者は好みの治療法を選び、副作用や合併症の場合などもMDAの医師とページャーナンバーを使って直接相談できるし、3ヶ月に1度くらい医師を訪問することもあります。あくまで自分の患者という意識で対応してくれ、日本の主治医が治療法を相談して他の方法に変えてゆく可能性もあるため、患者や家族にとっては安心や余裕が生まれます」。

診察同行で得られる患者からの信頼

上野さんが主催するメディエゾンは、日本の患者へのサポートをつぎのように行っている。

  • 1、TMCの専門医師からのアドバイスを得る
      (渡米する意味を見極めるためのステップで、治療オプションの可能性を探ることが可能)
  • 2、渡米前後に安心し、納得してセカンドオピニオンが得られるようTMCの専門医師とあらかじめ話し合う
  • 3、渡米しTMC内で、問題なく患者や家族が治療に専念できるように図る
  • 4、TMCの専門医師から詳しい治療方針を取得する。日本での検査資料をTMCの病院へ送り、それを基に病理医、腫瘍放射線専門医等の診断を得る。そして各患者の病状に合った専門医による治療方針の提供を受ける。渡米しなくても可能(中心的サポート)
  • 5、患者と病院との間に立ち必要な情報収集の実施、患者からのあらゆる質問を代行する

ことなどである。

「力を入れているのが、診察への同行です。病院には無料の通訳がいますが、とかく後で分からなくなる事が多いので、患者の身になって納得度を深めていきます。後で、患者に変わって医師に質問することも行い、家族から大変助かるとの声も聞きます」。

患者は、言葉の不自由さや過不足ない情報交換により、憧れの世界最高レベルの医療が効率よく受けられるというわけである。

上野さんは研修者のサポートも行い、昨年は10人をお世話した。結局、将来患者に還元されることと上野さんは考えている。

テキサス州の東端にあるヒューストンは、人口400万人の町。TMCはヒューストン市のダウンタウンの南寄りにある。9つの大学など教育機関や5大病院をはじめとする42の医療施設群からなる世界最大の医療センターである。その間に医師のオフィスなどが林立し、町の中に一つの町を形成している感じである。

世界各国から集まった6万人以上の優秀な医療スタッフが、最先端医療の研究開発、最新の標準治療の作成、最高水準の医療の提供を行っている。疾病予防、メンタルケア、末期医療、がん、心臓、小児外科医療、器官・臓器移植など、あらゆる分野の要求に対応できる診療所、専門施設がある。

上野美和さんは和歌山県出身。大阪薬科大学薬学科卒業4年後に結婚して渡米。夫は同じメディカルセンター内の医師。家庭では8歳児の母。遥かテキサスから日本の患者に常に強い思いを寄せている。

優しく頼もしい日本女性である。

(北川巳代)

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