メディア掲載・講演実績16_2005年10月:乳がん治療&生活ガイド - アメリカと日本をつなぐ医療の架け橋

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2005年10月:乳がん治療&生活ガイド

治療法の選択/満足して医療を受けるために

乳がん治療&生活ガイド  乳がん治療&生活ガイド

医師とのコミュニケーションの取り方

◆執筆/メディエゾン テキサス代表 上野美和

『まず、シンプルな疑問を自分に投げかけることから始めましょう』

治療を受けるときに大切なことは、「納得」しているということ。つまり、納得して治療を受けるということです。

「納得」とはどのようなことでしょうか? 自分ががんだと理解している。そしてそのがんがどんながんで、どんな治療の選択肢があって、自分が受けたい治療はこれがベストだと納得している、といったようなことではないかと思います。このように納得して医療を受けることが、満足度の高い医療や治療を受ける最初のステップになるのです。

 あなたは納得して医療と向き合っていますか?
 納得して診察を受けていますか?
 納得して治療を受けていますか?

でも、「納得」と言っても漠然としていて、何が、あるいはどのような状態が「納得」なのかよくわかりませんね。でもそれを知るコツがあります。病気に関する疑問を自分に投げかけてみるのです。

「病気のこと、診断名、症状について話せますか?」
「どうしてそのような診断が出たのか理解していますか?」
「どんな薬、薬の名前、効用などを説明できますか?」
「その薬を飲んでいる理由を説明できますか?」

このような素朴な質問を作ってみることから始めましょう。そして、質問ができたら、その答えを求めて勉強してみてください。

少し勉強すると、勉強したことが的確なコミュニケーションへのきっかけになります。自分の得た答えを医師と話し合い、確認し、本当の答えがわかったら次へステップアップです。

第1歩が踏み出せたら、2歩目からはわりと楽にできるようになります。質問を用意したり、自分でもいろいろ調べて、わからないことがあれば医師に聞くなど、疑問に対する答えを出す努力をするようになります。このように、一つの疑問をもつことがどんどん次の行動を起こすきっかけになり、それが結局、欲しい情報を獲得し、納得して医療を受けることにつながるのです。

医療における「納得」とは、医師と患者がお互いに情報を提供し合い、話し合うことによってもたらされるものなのです。

『医師とのコミュニケーションが不安なときは、家族や友人に同行してもらいましょう』

医師とのコミュニケーション時にどのようなことに注意すれば良いのでしょうか?

一つの方法は、自分一人ではなく誰かと一緒に診察を受けることです。恐怖や不安でいっぱいの時に医師の話を理解することは難しいことです。どんなに親切な説明を受けたとしても、覚えていないかもしれません。

医師の了解を得て、説明を録音させてもらうのもよいかもしれません。あるいは、家族や友人、第3者を同伴することで理解を深めることができます。代わりに質問してもらい、後で家族や友人から理解できるまでゆっくりと説明を受けるのです。

ご家族やお友達はあなたが治療について決断する時にも助けてくれるはずです。

『医師から質問されて答えるだけでは対話につながらない
的確に自分から質問することが大切』

医師とコミュニケーションするうえで、いずれの場面においても大切なことは、「自分の希望を伝える」こと。何をしたいのか、何を望んでいるのか、どのような情報を得たいと思っているのか、きちんと伝えることはとても重要です。

次に、初診の時から治療に至るまでの各段階で、患者側から医師へ伝えなければならないことについて考えてみましょう。

<初診・診断時・治療法決定時>

今に至るまでの症状と病状(もしくは診断名)、受けた検査があれば、その結果についての情報、過去の病歴と治療歴、現在服用中の薬品名があれば容量と服薬理由、薬剤へのアレルギー内容、現在の体調や生活状況、および生活習慣、等

<治療時>

治療開始後の身体的・精神的変化、現在服用中の薬品名と容量、服薬理由を納得しているということ、服薬によって薬剤へのアレルギーがあったかどうか、あったときはその内容、現在の体調や生活状況、生活習慣、等

医師や医療従事者から質問されてこれらの情報を伝えるだけでは、自分が欲しい情報は返ってきません。医師との対話が必要なのです。診察前に少し勉強し、的確な質問を行ってみてください。質問することは、まだ理解していないことを医師に伝える術なのです。

無駄な憶測は避け、率直に質問しましょう。そして、医師から説明を受けている間、メモを取り、退出する前に本当に理解できたかどうか確認しましょう。「先生がおっしゃったことは、こういうことですね」と復唱するのです。

聞きたいことは全てリストにして、医師に会うときに持参するのも良い方法です。

では、医師への質問の基本的な例を挙げてみましょう。

<初診・診断時>

●――治療面について
・どの治療法が良いと思いますか?
・他にも治療法がありますか?
・未承認薬など海外での治療法はどう考えますか?
・それらの治療法の長所・短所は何でしょうか?
・リスクはありますか?
・私が服用する薬はどんなもので、何のためですか?
・服用している間、どんな感じがするのでしょう?
・副作用はありますか?
・現在服用中の薬が治療薬に影響を及ぼしますか?
・どのような変化が起こった時に、どこに連絡をすれば良いですか?

●――生活面
・生活するうえで気をつけなければならない重要なことは何でしょう?
・仕事や家族の世話は続けられるのでしょうか?
・体力など活動に制限はあるのでしょうか?
・食事は何を食べても大丈夫でしょうか?
・旅行はできますか?

なぜ生活のことについて医師に質問しなければならないのかと思う人もいるかもしれません。病気や治療は生活の一部であって、皆さんの生活全てではないことを理解しましょう。日々、生活するは治療と同じくらい大切なのです。治療の中に生活があるのではなく、生活の中に治療があるのです。

『コミュニケーションの目的は医師と患者の間に信頼を築くこと』

医療に限ったことではなく、納得する情報を得るための糸口は疑問をもつことです。疑問は興味や関心から生まれます。身体のこと、治療のことにいっぱい興味を持ってコミュニケーションを始めてください。

コミュニケーションの目的は、信頼関係を築くことです。信頼関係は、素直な気持ちや希望を相手に伝えることから始まるのです。

皆さんが普段の生活の中行っているように、医療の現場でもじっくり信頼関係を築いて納得した医療を受けていただけるように祈っています。

米国で医療を受ける日本人患者と医療者とのコミュニケーションをサポート
メディエゾン テキサス

アメリカ最大のがんセンター、MDアンダーソン(テキサス州、ヒューストン)とその周辺地域の医療施設での治療やセカンドオピニオンを希望する日本人患者に対し、日本語通訳と病院との連絡サービスなど医療サポート業務を行うサービス会社。ホテルや航空券の予約から、ホテルと空港間の送迎、希望する病院で診察を受けるための書類上の手続きの補佐、ホテルのチェックインから食事や観光での通訳を含むアテンド、診察や検査の同行サービスなどを行っている。

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