メディア掲載・講演実績21_2015年3月:ダイヤモンドQ - アメリカと日本をつなぐ医療の架け橋

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2015年3月:ダイヤモンドQ 3月号

治療の選択肢を増やす

ダイヤモンドQ 3月号 ダイヤモンドQ 3月号

著名な米国のがん専門病院で受けるセカンドオピニオン

主治医とは別の医師から意見を聞く「セカンドオピニオン」は、海外の有名病院でも受けることができる。その一つとして米国のケースを紹介する。

「祖父母より先に逝くことだけは避けたい」

米国・テキサス州のヒューストンに住む上野美和さんの元には、日本から助けを求める患者の声が届く。

薬剤師の資格を持つ上野さんは、 日本の患者が米国の病院でセカンド オピニオンを受けるのを支援する会社「メディエゾン」を運営している。

彼女は以前、ヒューストンにある MDアンダーソンがんセンター(以 下、MDA)で治験(新薬開発のための人での試験)のコーディネーターをしていた。そこでの経験から、日本の患者は主治医からの情報のみを頼りに治療と向き合うことが多いと感じたのが事業を始めたきっかけである。

米国では、主治医とは別の医師を 受診して意見を聞く「セカンドオピニオン」が一般的だが、日本で利用する人はそれほど多くない。

そこで上野さんが始めたのが、がん治療では全米でトップといわれるMDAでのセカンドオピニオンのサービスだ。日本からカルテや検査結果を郵送してもらい、英語に訳してMDAの医師に渡し、受診が可能か確認する。MDA側から了解が得られれば、患者の体調を見て渡米のタイミングを決める。英語が得意でない人でも大丈夫なよう、受診時の通訳はもちろん、希望に応じて、患者が米国に着いてから帰国するまでの 宿泊や食事の手配まで支援が受けられる仕組みだ。

未承認薬で治療した 日本人女性も

4年前、冒頭の声を上野さんに寄せた代の女性は、慢性骨髄性白血病という血液のがんの患者だ。

女性のがんはその中でも特殊な遺伝子変異があるタイプで、当時、主治医からは、日本国内には効果のある薬はないと告げられていた。

相談を受けた上野さんは、MDA で慢性骨髄性白血病の新薬の治験が行われていることを思い出し、女性 が参加できないかMDAの医師に相談した。もちろん、日本では承認されていない薬だ。その後、女性に渡米して診察を受けてもらった結果。 治験への参加が正式に決まった。

治験は飲み薬を1日1回服用し。 3カ月に1回程度、渡米して診察や血液検査などを受ける形式だった。 幸いにも重い副作用が出ることはなく、女性は現在も薬を飲み続けている。その薬は、翌年1月に米国で承認された。

もちろん、女性のように治療がうまくいくケースばかりではない。実際、渡米して治療法の相談をしたものの、帰国後、間もなく亡くなる患者も多いという。上野さんは、米国でセカンドオピニオンを受ける意義を次のように話す。「多くの患者が口をそろえるのは、米国でセカンドオピニオンを受けて初めてどんな選択肢があるか分かり、安心して治療が受けられた、という言葉です」。

海外で診察や治療を受ける、いわゆる医療ツーリズムはここ数年注目度が高まっている。米国には、最先端の治療を求めて中東や南米などから毎年40万人以上の患者が訪れるという。日本からはまだ少ないが、上野さんの会社ではサービスを始めて から2年余りで、およそ120人の患者が利用している。

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