資料を提出してから4日後、
NYメモリアルスローンケタリングがんセンターから返事が来ました。
返事の内容を翻訳したものは下記の通りです。
現在の年齢は6歳。
1歳近くの頃に最初の診断があったステージ3の神経芽腫の患者です。
幼い頃そして局所的な病気も含めてMYCNの増幅も無く、予後は良好でした。
移植も含めての高容量の抗ガン剤治療後、
診断後1年半後、
残念ながら原発発生場所に最初の再発が起きました。
サルベージ化学療法と共に局所的な放射線治療とレチノイン酸を受けましたが、
2年後、原発発生場所の近くに再発し、その時は骨髄への転移も認められました。
Gくんは
サイクロホスファミド、 ビンクリスチン、 THP、
イホスファミド、 エトポシド、カルボプラチンとイリノテカン、
転移箇所の切除手術、
MIBG治療、
そして経口でのサイクロホスファミドとトポテカンに続き、
静注でのサイクロホスファミドとトポテカンを受けました。
これら全ての治療にもかかわらず、彼の骨髄と軟部組織での進行は続きました。
何度かの再発、
そして
全ての標準治療を投与したにも関わらず完治に至ることができなかったことから、
現実的なゴールは緩和ケアかもしれません。
第一相、もしくは第二相の臨床試験を
(ほとんどの臨床試験の条件として血小板の数値は75000を超えていなければなりません)
彼は受けることができるかもしれませんが、
長期的な寛解は0に近いです。
現在メモリアルスローンケタリングで使われている
モノクロナール抗体もしくはワクチンを使った治療法は
今の状況には価値が無いと思われます。
今後の質の高い生活を考えた場合、
経口投与でのテモダールとイリノテカン
(Journal of Clinical Oncology 24:5271-5276, 2006・参照)、
もしくは経口投与でのエトポシド
(Journal of Clinical Oncology 17; 3221-3225, 1999・参照)
を使った治療法は価値があるかもしれません。