アメリカのベストホスピタルで最先端のがん治療プランを提供します

HOME 患者さんの記録 再検査

患者さんの記録

再検査

前回のお話のNさんの日本の主治医からの説明

MDACC(MDアンダーソンがんセンター)の
方法で T315I が見つからないというのは良い話。
T315Iをもつ白血病細胞の総数が少ないことを意味する。

T315I 検出は、
古典的にはdirect sequence (DS) 法。

DS法の感度は20%とあまり高くなく、
現在、日本では主に Invader 法が用いられる(BML社)。
Invader 法の感度は1-3% とDS 法より良い。

Invader 陽性、DS 陰性は時にあり、
(T315I 陽性白血病細胞の比率が5-15%位の時)
MDACCで使用されている方法がDS法ならこの可能性あり。

Invader法で T315I が検出されても、
T315I 陽性白血病細胞の比率が
あまり高くない慢性期の患者さんでは、
出たり消えたり繰り返すことがある。

おそらく、白血病細胞の数がそれほど多くなければ、
薬以外の自己の抵抗力(免疫力)で、
T315I 陽性白血病細胞を抑え込んでくれている
と考えられる。

=============================

Nさんが話されていたことの一つとして

T315I変異が見つかった患者さんの中に
急に比率が高くなり、
調子を崩された方を見て来た。

という話がありました。

急に悪くなるというのは患者さんにとっては
とても怖いことだと思います。

ですので、余計に

本当にT315I変異がなかったのか?

それとも
感度が低い検査のために見つける事ができなかったのか?

それが気になりました。

Nさんとしては、
「T315I変異が無くなったと信じたい」

とてもよくわかります。

できれば、そう信じて、
MDAの医師の処方の
Dasanitib(スプリセル)を服用して
経過観察をしていく。

という気持ちもあり、
揺れ動いている気がしました。

再度、診察予約を入れて、
もう一度、
診察にて話し合いをした方が良いと思いました。

診察予約が決まったと同時に、
私もMDAの医師へ、

「Nさんが日本でT315I変異が見つかったのに
 MDAでは見つからなかったのは、検査方法の違いではないか。
 そして、もっと感度の高い検査方法でも同じ結果になるだろうか。」

という連絡を入れたところ、

「実は、もっと感度の高い検査方法での検査のやり直しを
 お願いしていて、さっき検査結果がでたところだ。
 結果、T315I変異が陽性とでた。」

ということでした。

T315I変異は陽性となり、次回の診察時に
再度治療方針の話し合いとなりました。

そして、治療方針としてNさんに伝えてほしいと言われたのは

「最近、DCC2036の治験に強い毒性があることがわかった。
 Nさんには、別の方法を考えているので、診察時に説明する。」

とのことでした。

慢性骨髄性白血病 T315I変異・Nさん 記事一覧へ

今すぐ相談、お問い合わせ・お申込みはこちら

ページの先頭へ

zoom無料相談会