Yさんが渡米されてから2ヶ月ほど経った頃、
CTでフォロアップしたところ、
がんが進行していたとの連絡が入りました。
Yさんは
MDアンダーソンがんセンターの医師だけではなく
NYメモリアルスローンケタリングがんセンターの
医師の意見も聞きたいとのことで、
NYメモリアルスローンケタリングがんセンターへ
Yさんの病歴治療歴や検査内容の書類を送りました。
下記がYさんへの治療に関する
メモリアルスローンケタリングがんセンターからの
返事の概要です。
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=今後の治療のオプション=
1、Topotecan
再発性卵巣癌の治療に FDAから認可されている。
今までの治療歴にはなかった。
(3週間ごとに1.25mg/m2の量を5日間毎日投与)
副作用:倦怠感、血球の減少にて輸血の可能性、吐き気、感染症
2、taxaneでの再治療
2年以上taxaneを使用していないことから、
paclitaxel または docetaxelの使用を検討すると良い。
3、Irinotecan
卵巣がんの治療としてFDAの認可はないが
Topotecanと共通のメカニズムであることから
使用の検討には良いと思われる。
どのオプションも有効だと考えるが、
topotecanを使用する事を勧める。
=Letrozoleの使用について=
一般的に2つの臨床状況でアロ マターゼ阻害の使用を支持
1)CA125が上昇、 再発がX線上で確認されるまで経過観察が不安な場合。
2)治療の効果が乏しく化学療法に適応していない場合。
=FOLFIRIの治療について=
白血球数の減少や、好中球の 減少などの原因となる。
進行した腹膜がん(卵巣がん)患者さんには、
FOLFIRIのような組み合わせた化学療法より、
単独使用にて連続投与の化学療法を考える。
過去の治療としてfluoropyrimidineにて
既に進行が見られたことから
効果があるとは考えられず、
安全性も保証されているとは思えない。
=結果として=
予想効果確立10%-15%の間で
topotecanの単独使用が有効な治療のオプションと考える。
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メモリアルスローンケタリングがんセンターへの
質問を考えて
Yさんとの話し合いとなりました。