腫瘍内科医・勝俣範之医師のつぶやき

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勝俣範之医師のつぶやき

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勝俣範之医師

勝俣範之(かつまた・のりゆき)医師

日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授

1963年、山梨県生まれ。88年、富山医科薬科大卒。92年国立がんセンター中央病院内科レジデント。その後、同センター専門修練医、第一領域外来部乳腺科医員を経て、2003年同薬物療法部薬物療法室医長。04年ハーバード大学公衆衛生院留学。10年、独立行政法人国立がん研究センター中央病院 乳腺科・腫瘍内科外来医長。2011年より現職。近著に『医療否定本の?』(扶桑社)がある。
専門は腫瘍内科学、婦人科がん化学療法、がん支持療法、がんサバイバーケア。がん薬物療法専門医。

勝俣先生のYomiDr.記事

過剰な検診キャンペーンについて

2018年08月30日

「乳がんの90%は早期発見で治ります」などという、検診のキャンペーンの文言をよく見かけるが、これはまったく誤解を招く表現だと思う。

過剰な検診キャンペーンはやめるべき。検診でメリットを得られる人は一部の人のみ。
検診で見つかった多くの早期がん患者さんは、過剰診断された可能性がある。進行がん患者さんの多くは、「検診しなかったから進行してしまった」のではなくて、「検診に向かなかったがんであった」可能性がある。

もちろん、日本は、がん検診率が低いので、検診率を上げるために、ある程度の啓もうも必要であろうが、啓もうだけで、検診率が上がらず、限界があることは周知のこと。
検診率を上げるためには、コールリコール(受診者へ何らかの方法で、再度受診を呼びかけること)をするべきなのです。

がん検診と過剰診断・過剰治療について

2018年08月30日

がん検診における、死亡率低下の大切さの意味、過剰診断・治療の不利益についても、正しく情報提供をしている専門家の先生方は、意外と少ないので、残念に思っています。

がんには、検診に向かないがんも多い。急速に進行するがんは、検診には向かない。乳がんや肺がん、大腸がん、胃がんなどの固形がんでも、急速に進行するがんがある。また、ゆっくり進行する超のんびりがんは、検診すると、過剰診断となり、過剰治療となる。

>> がんを正しく恐れること(下)~検診に向かないがんもある~

乳がん検診について、コクランのシステマティックレビューより。2,000人検診を受けると1人(0.05%)乳がん死亡を減らし、200名に偽陽性、10人に過剰診断・過剰治療。

診療ガイドラインと化学療法について

2018年08月15日

ガイドラインに書いてある引用文献、エビデンスは、最低限のもの。ガイドラインさえすればよい、ガイドラインだけすればよい、という代物ではない。
実際の臨床現場では、ガイドラインだけで治療できるというものではない。ガイドラインをベースに応用していくのが実際の診療。

ガイドラインだけやっていくのは、初心者レベル。ガイドラインには引用されていないけど、ガイドラインにも書いていないような、レベルのエビデンスにもすごく精通していて、患者さんに応用していくのが、プロのレベルと思います。
ガイドラインも読まない、ガイドラインに従わないのは論外。

卵巣がんで、再発しても、延々と効いているからと、TC療法のみやっていくのは止めてほしい。
神経毒性が蓄積毒性としてたまっていき、歩行不能になった患者さんがいます。
ガイドラインにも、プラチナ感受性再発には、プラチナ製剤を含む多剤併用療法としてオプションが書いてあるのに。

腫瘍内科医は、「ケモ屋(化学療法だけをする医師)」になってはいけない。
化学療法以外の選択肢もきちんと患者さんに提案できる治療コーディネーターとなるのがプロの腫瘍内科医。

臨床試験について

2018年08月09日

臨床試験の成功率、第一相試験3.4%、第二相試験だと6.7%、第三相試験でも35.5%です。そんなに簡単に成功するものでない。
よくメディアで、動物実験が終わり、臨床応用が期待などと、大げさな報道をするが、臨床試験で成功するのは簡単ではない。

なったとしても、第三相試験までやらないと、本当に良いかわからないし、承認もされないということなのです。
ましてや、臨床試験もやっていないようなレベルの治療法は論外。

胚細胞性腫瘍について

2018年07月30日

胚細胞性腫瘍は、若年者に多いが、化学療法のみで治癒可能な希少がんです。ただ、診断、治療がきちんと行われていないことが多い。特に、性腺外原発の胚細胞腫瘍は診断、治療がひどい状況。
がん専門病院でもきちんと治療が行われていない現状がある。特に女性の胚細胞性腫瘍の場合、初回標準治療のBEP療法でさえ、標準的投与量でなかったり、すぐに減量、延期などを繰り返されたりすることが多い。好中球の値に関係なく、減量、延期せず、dose intensityを保つことが大切。

がんとの付き合い方

2018年07月05日

がんとの付き合い方。三つのあ。あせらず、あわてず、あきらめず、が大切。
つい、がんと診断されるとあせってしまいがちだが、一番、あせっていて、患者さんをあせらせているのは医者じゃないかと思う。
がんになっても、あきらめない、ことも大切。これは積極的治療をあきらめない、ということでなくて、自分の人生をあきらめない、大切ないのちをあきらめない、ということだと思う。

災害時にがん患者さんが気を付けること

2018年06月18日

大阪地震、一部の病院で治療が困難になっている病院もあるかと思います。災害時にがん患者さんが気をつけることについて、ヨミドクターに以前まとめたものがありますので、ご参照ください。

>>災害時にがん患者さんが気を付けること

標準治療とそれ以外の治療について

2018年06月13日

標準治療以外を否定しているのか?というとそういうわけではない。あくまでも患者さんに勧められる治療が標準治療ということ。標準治療以外の治療は、研究としてやってもらえばよい。研究段階の治療は良いとは限らないということである。患者さんを研究の対象にするには、臨床試験としてやるべき。

臨床試験とは、研究治療を患者さんにやってもらうことになるので、科学的にも倫理的にも厳密に行われなければならない。正確な情報開示も必要。研究治療が、研究や臨床試験としてでなく、自由診療として、ましてや、高額な費用を請求し行われるのは、倫理的にも重大な問題がある。

医療機関ネットパトロール

2018年06月08日

インチキ医療は、こちらからどんどん通報しましょう。誇大広告、虚偽広告、治療前後を示した症例提示、未承認治療、などすべて医療法における医療広告ガイドラインに違反します。

>>医療機関ネットパトロール

2018年6月1日より施行される新たな、医療法における病院等の広告規制(医療広告ガイドライン)はこちらに出ています。

>>医療法における病院等の広告規制について

免疫細胞療法"最先端"がん治療トラブル

2018年06月05日

日本の野放し免疫細胞療法、あちこちで問題が起きています。実際に効果があるわけではなく訴訟事例まで発展しているものもあります。

効果の確証がない治療をあたかも効果があるようにネットで宣伝し、患者さんに高額な治療費を請求するのはかなり問題があると思います。説明義務違反、今でしたら、医療法違反(広告ガイドライン違反)にもなりますので、もし被害に会われた患者さんがいらしたらご相談ください。

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