腫瘍内科医・勝俣範之医師のつぶやき

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勝俣範之医師のつぶやき

※このページでの勝俣先生のお話は先生の承諾を得て作成させていただいています。

勝俣範之医師

勝俣範之(かつまた・のりゆき)医師

日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授

1963年、山梨県生まれ。88年、富山医科薬科大卒。92年国立がんセンター中央病院内科レジデント。その後、同センター専門修練医、第一領域外来部乳腺科医員を経て、2003年同薬物療法部薬物療法室医長。04年ハーバード大学公衆衛生院留学。10年、独立行政法人国立がん研究センター中央病院 乳腺科・腫瘍内科外来医長。2011年より現職。近著に『医療否定本の?』(扶桑社)がある。
専門は腫瘍内科学、婦人科がん化学療法、がん支持療法、がんサバイバーケア。がん薬物療法専門医。

勝俣先生のYomiDr.記事

がん診療を真面目にやっている医師の方々へ。

2018年04月05日

がん診療を真面目にやっている医師の方々へ。インチキ免疫療法クリニックは、あたかも良質なサイトを装って、実はインチキ免疫療法へ誘導するサイトを複数あります。良かれと思って取材に応じるのは良いですが、先生の大事な記事がインチキ免疫療法の宣伝に使われてしまっていることがあります。

このようなサイトは、患者さんを惑わせ、インチキな医療を受けさせることにつながってしまいます。患者さんに不利益を与えるだけでなく、取材された医師の姿勢も疑われてしまいます。メディアから取材を受ける際には、インチキ医療を宣伝するような母体でないかどうか取材先をよく確認してください。

免疫療法について

2018年03月30日

国立がん研究センターがん情報サービスの免疫療法が新しくなりました。
効果ありと確認され標準治療になっているものと、そうでない怪しげな免疫療法と区別がわかりやすくなったと思います。必見!
>> 参考記事はこちらです。

望ましいインフォームドコンセントについて

2018年03月08日

抗がん剤しなければ、余命1年、抗がん剤すれば、2-3年。このようなインフォームド・コンセントが横行してますが、これは脅迫型インフォームド・コンセントと言います。
患者さんには恐怖しか残りません。いまだにトラウマになって、普通の生活もままならない患者さんがいます。
脅迫して、意思決定を促すこの脅迫型インフォームド・コンセントはやめましょう。患者さんは、やらないのも地獄、やるのも地獄と言います。恐怖しか残りません。

「抗がん剤やるかやらないか、どっちでもよいですよ。次までに決めてきてください」この言い方も多いのですが、これは、「松竹梅型」「患者自己責任押し付け型」「医療者責任逃れ型」インフォームド・コンセントとも言います。患者さんは、なかなか決められません。

「じゃあ、どういうインフォームドコンセントがいいのか?」とのご質問に、シェアードディシジョンメイキング(SDM)に基づくインフォームドコンセントが望ましいですね。簡単に言うと、患者さんと一緒に考え、意思決定を共有し支える、です。こちらにも少し書いてます。

患者さんは、色々なかたがいますので、3つのタイプで割り切れるものでもありません。色々なタイプの患者さんに医師のほうから、合わせていく、ということでしょうか。10くらいの患者さんのパターンに合わせられるように、こちらも10のタイプの感じで接するという感じでしょうか。

インフォームド・コンセントの理念、Shared Decision Makingはこちらに書いてあります。


免疫細胞療法「CAR-T療法」

2018年02月17日

こちらは、NEJMに掲載された難治性リンパ腫に対する「本物の免疫細胞療法CAR-T療法」。64%奏効率あるが、ただ、強い副作用もある。脳症も発症あり。長期観察が必要。
本物の免疫療法はやっぱり副作用も強いということです。これくらいは、日本のメディアも勉強すべし。
「副作用のない免疫療法」などと言っていたら、それは「インチキ免疫療法」です。騙されないようにしてください。
CAR-T療法は、保険適応にすべく、日本でも現在、治験の準備をしています。インチキな免疫療法は、治験をすると「効果がないことがばれてしまう」ので、治験や臨床試験をせず、自由診療にしています。そのほうが、患者さんを騙せて、儲かるからでしょう。

腫瘍内科医について

2018年02月06日

腫瘍内科医は、単に抗がん剤だけをする専門家ではない。内科的ケア、心のケアができなければ腫瘍内科医という資格はないのではないでしょうか。抗がん剤だけにしか興味がなくて、患者さんのケアに興味がない自称腫瘍内科医もいるのは事実。
>> 「抗がん剤治療を受けるときは、一度腫瘍内科医の意見を聞いてみて」

正しい免疫療法、インチキな免疫療法

2018年02月05日

正しい免疫療法について、以前にヨミドクターに書きました。
インチキな免疫療法がここまではびこっているのは、先進国でも日本だけ。とても恥ずかしいです。
研究的な治療を臨床試験として行う場合、倫理的に厳しく審査するのは当然のことである。しかし、研究的な治療なのに、臨床試験として行わず、勝手に実地医療として、しかも保険が効かない自由診療とすることが倫理委員会でも審議されず行われていることは相当大きな問題であること誰も何も言わない。

丸山ワクチン治験

2018年01月11日

丸山ワクチン治験、ClinicalTrialgovにありました。現在、ステージIIIB子宮頸がんで治験中です。600例の患者数なので、今度は、白黒はっきりとわかると思います。
逆に言うと、この臨床試験の結果が出るまでは、有効と言えず、一般的にお勧めできる治療ではないということ。

真面目な臨床試験や治験をすると、時間もお金もかかります。臨床試験でもなく自由診療でやっている分には、お金儲けをするのには、大変手っ取り早いのですが、全く使えるエビデンスにならないのです。日本の免疫細胞療法がそれに相当します。いくら、何万人の実績?があっても、ただやるだけではダメ。

未承認がん治療を自由診療でやることを認めるのが悪いと思います。まだ臨床試験での有効性が出る前から、勝手に自由診療でやっている。しかもビジネスになる。これだと、日本で臨床試験が進まないのもしょうがない。いつも新薬は海外から。海外先進国では未承認がん治療は政府へ届けて許可が必要。

お金や手間をかけなければ、良い医療は生まれません。結局、怪しげな医療ばかり受けることになり、損をするのは患者さん、国民になります。

>> 参考記事はこちらです

がんに対する3つの誤解

2017年12月21日

がんに対する3つの誤解。1つ目はがんになったら、働けなくなる、好きなこともできなくなる、夢も希望もなくなる、人生の落伍者になる、などでしょうか。がんになっても、働けるし、好きなことできるし、夢も希望もなくなりません。

2つ目は、治療に対する誤解。手術ができなければダメ。手術できなければもう終わり。抗がん剤は副作用がひどく何もできなくなる。抗がん剤はやらないほうがよい。などでしょうか。手術できなくても、共存ができるようになりました。抗がん剤やりながらも仕事もできます。

最後は、緩和ケアに対する誤解でしょうか。緩和ケアは終末期医療。治療ではない。治療が終わってから最後にやるもの。緩和ケアに希望はない、などでしょうか。緩和ケアはQOLを保つために早期から取り入れることが大切。この誤解が最も難関な誤解でしょうか。

米国対がん協会のHPより

2017年12月19日

米国対がん協会のHP。日本と違うところは、科学的エビデンスに基づいて、冷静かつ、誇大表現を避けているところが良いと思う。

ストレスはがんの原因となるか?答えはNO。いくつかの研究があるが、ストレスががんの原因となるという確固たる科学的証拠はない。
>> 参考記事はこちら

がんは予防できる?答え:確かな方法はないが、いくつかの方法はリスクを減らすことができる。
>> 参考記事はこちら

糖分は、がんのエサになる?答えはNO。直接がんの原因になったり、がんが悪化することは証明されていない。ただ、カロリーオーバーの食事や肥満はがんと関連している。
>> 参考記事はこちら

未承認治療の臨床研究について

2017年11月30日

保険が効かない免疫細胞療法は臨床研究でするべき、というのは当然です。ただ、なんちゃって臨床研究では困ります。きちんとした臨床研究でしょうか?未承認治療は研究ですので、無償にすべきですが、有償は倫理違反でないでしょうか?

なんちゃって臨床研究の実態。研究と言いつつ、実際、臨床試験の体をなしていない。臨床第何相試験か定かにしていない。答えの出ないパイロット試験。サンプルサイズ計算がいい加減。データの質の管理がされていない。監査もない。未承認なのに、患者から費用を徴収している、などなど。

なんちゃって臨床研究、企業の販売促進試験であったりする。実際、免疫細胞療法は、リンパ球を処理する企業が営業活動やっています。単なる販売促進。

先進医療申請したが、却下された免疫細胞療法を臨床研究として、自由診療で患者さんから費用を徴収している大学病院があります。これは、許されてよいことでしょうか?

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