腫瘍内科医・勝俣範之医師のつぶやき

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勝俣範之医師のつぶやき

※このページでの勝俣先生のお話は先生の承諾を得て作成させていただいています。

勝俣範之医師

勝俣範之(かつまた・のりゆき)医師

日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授

1963年、山梨県生まれ。88年、富山医科薬科大卒。92年国立がんセンター中央病院内科レジデント。その後、同センター専門修練医、第一領域外来部乳腺科医員を経て、2003年同薬物療法部薬物療法室医長。04年ハーバード大学公衆衛生院留学。10年、独立行政法人国立がん研究センター中央病院 乳腺科・腫瘍内科外来医長。2011年より現職。近著に『医療否定本の?』(扶桑社)がある。
専門は腫瘍内科学、婦人科がん化学療法、がん支持療法、がんサバイバーケア。がん薬物療法専門医。

勝俣先生のYomiDr.記事

免疫療法の誇大広告について

2016年12月14日

免疫療法クリニックのネットの誇大広告を止めてほしい。効果が実証されていないに、効果があるようなことを言っています。このような誇大広告をこのままにしてよいのでしょうか?
ネットのがん誇大広告、インチキ医療に騙される患者さんが悪いのでしょうか?騙すほうが悪いのでしょうか?
ネットのインチキ医療は医師でも騙されます。私の知り合いの内科医師も自分の娘さんの肉腫治療に免疫細胞療法をやりました。300万円使ったそうです。私は訴訟にすることをすすめましたが、自分がやったことを悔いるのと、何より娘さんを亡くしたショックで訴訟にする気力も残されていませんでした。
ネットのインチキ医療は医師でも騙されます。専門知識を持った専門医でないと見抜けません。それでも、騙されるほうが悪いのでしょうか?騙されないように患者さんが勉強すべき?専門医のレベルまで?ちなみに、海外先進諸国では、このようながんインチキ医療は規制が厳しいのでこのような現象はない。
「肩こりは幽霊が原因」などというウェルクはまだかわいいもの。ウェルクを取り締まって、がんインチキ医療は取り締まらないのでしょうか?
例えば、このクリニックもかなりひどいのですが、HPに、「有効率としては、腫瘍の消失+部分縮小+半年以上の安定を含めまして約25~30%と考えられており」と言っています。このようなエビデンスはありません。誇大広告と思います。
>> 参考記事はこちらです。

自分の人生について

2016年12月11日

人生を生ききる。
残された人はその姿を見て
自分の人生を生き続ける。
君が乗っているブランコもいつかは止まる。
それまで一生懸命にこぎ続ければ同じ景色も違って見えると僕は教えてあげたいです。
僕のことは不幸に見えますか?
僕たちが感じているのは
友だちがいないとかわいそうで気の毒だと思っている人たちの勘違いです。
悩むのは本人以上に周囲の人々なのかもしれない。
人はどんな困難をかかえていても
幸せを見つけ生きることができる。
僕たちはかわいそうだとか、気の毒だと
思われたいわけではありません。
ただみんなと一緒に生きていたいのです。
みんなの未来と僕たちの未来がどうか同じ場所にありますように。

がん化学療法は原則外来

2016年12月09日

私が言いたいのは、がん化学療法は、原則外来であるということです。もちろん、色々な状況に応じて、患者さんの希望を聞き、入院にすることはあります。問題なのは、原則入院にしている施設。この場合、患者さんが、外来を希望しても、「できません」と拒否されることが多いのです。
入院で化学療法をやる場合、白血球が減ってきて、患者さんが、「元気なのにまだ退院できないのですか?」と聞かれた時、「増えてからね」というのは間違い。

乳がん脳転移について

2016年12月09日

乳がん脳転移をきたすと、HER2発現が増えるという報告。20例のケースシリーズ。興味深い研究だが、それが、臓器転移になった際、HER2発現が持続するのかは、定かではない。
>> 参考記事はこちらです。

p53抗体について

2016年12月09日

p53抗体を人間ドックでオプションでやっているらしい。無駄な腫瘍マーカー検診はやめてほしい。人間ドック業者のお金もうけのため?としか思えません。
>> 参考記事はこちらです。

日本の化学療法について

2016年12月08日

「がん化学療法初回は入院で」というのはそろそろ止めよう。外来でできる化学療法は初回から外来でやりましょう。初回は入院でというのも日本だけのように思います。がん化学療法を通院でやらないのも、患者さんの就業を阻んでいます。
卵巣がんのTC療法、何も合併症などない患者さんで、私は入院でやったことがない。日本の統計だと、8割は入院でやっています。入院でやるその理由はというと、病院・医局の方針だから、外来化学療法の空きがない、など。病院も努力しましょう。
外来と入院どっちが安全でしょうか?外来には、がん化学療法認定看護師や腫瘍内科が常駐しているところが多い。入院でやると、臓器別診療科の入院となり、化学療法専門の病棟などはありません。そう考えると、外来のほうが安全。
副作用に関しても、患者さんにとって一番つらい吐気はほとんど抑えることができるようになってきている。急性期の副作用としてアレルギーに関しては、むしろ、外来化学療法室で専門看護師、専門医がいるところのほうが対応は安全。
がん化学療法、あとから出てくる副作用として、感染症対策が最も重要。白血球が低下している状況で、入院のほうが危険、感染のハイリスク状態となるからである。
外来化学療法を推進していくために、あとは、患者さんの安心度、満足度ということになりますが、困ったら、いつでも相談できる体制づくり、外来での迅速な対応、救急体制づくりが大切と思います。
私が、日本医大武蔵小杉病院にきて、まずやったことは、夜間当直体制での、化学療法を受けている患者さんの救急マニュアルづくり、教育体制づくりです。
>> 参考記事はこちらです。

がん基本法改正について

2016年12月08日

がん基本法改正は喜ばしいと思います。医療機関も変わらなければならない。私の友人は、がんになり、休職し、再就職を希望したが、がんのことを話すと、非常勤医でしか採用されなかった。医療機関でもこの程度だから、一般企業はなおさらと思います。
>> 参考記事はこちらです。

週刊ポスト記事:「糖質制限」で末期がん患者の8割が改善

2016年11月25日

19 名の患者さんに対する臨床研究結果です。この結果を実際の患者さんに応用してよいと思いますか?思わないとしたら、どうしてですか?科学的に批判してみてください。も一つ、このような結果をこのような形で掲載するメディアはどうなのでしょうか?
>> 参考記事はこちらです。

人工透析との併行について

2016年11月24日

人工透析を受けているがん患者さんでも、抗がん剤も可能です。多くの場合、「透析を受けているから」と抗がん剤を医療者のほうから拒否される場合があります。そのような際には、専門医に相談をお願いいたします。
人工透析を受けている患者さん、在宅医療も可能です。人工透析を受けていると、どうしても、「最期は、入院で」ということになりがちですが、私が最も尊敬している在宅ホスピス医の先生にご自宅で看取っていただきました。
在宅医療も決して簡単ではないことを知っています。「何かあったら、病院へ」のほうが、在宅医も患者さん、家族も楽なはずです。在宅医の先生の、並みならぬ適切な説明、体制があったから、患者さん・ご家族も安心できたのだと思います。

抗がん剤治療と無輸血について

2016年11月24日

エホバの証人の子宮がん患者さん、都内のほとんどの病院で手術も抗がん剤もできないと治療を拒否されたということです。がん専門病院、がん拠点病院でも断られたそうです。私はこれまで抗がん剤治療を拒否したことはありません。この問題もしっかりと取り組まなければいけませんね。
固形がんのほとんどの抗がん剤は無輸血で可能です。また、患者さんによっては、エリスロポエチン可能であれば、自費にはなりますが、エリスロポエチン使って、輸血を回避可能です。
結局、エホバの患者さんは、がん拠点病院でもない、小さな病院で手術を受けたそうです。リンパ節郭清もやりましたが、輸血もせず、うまく手術できたそうです。

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